過小評価されたイーサリアム、ETF購入者の注目を集める：CryptoQuant | CoinDesk JAPAN（コインデスク・ジャパン）

• ビットコインに対するイーサリアムの現在の取引水準の低さは、2019年を彷彿とさせる。当時、イーサリアムはそこから急騰してビットコインのパフォーマンスを上回った。
• 機関投資家は、イーサリアムがビットコインを上回るパフォーマンスを示すと予想し、イーサリアムの保有量を増やしている。最近のペクトラアップグレードの影響と思われる。
• オンチェーンデータでは、イーサリアムの売り圧力の低下と取引高の増加が示されており、大幅な上昇の可能性を示唆している。

このシグナルが出たのは、イーサリアムのETH/BTC市場価値対実現価値（MVRV）指標。市場センチメントと過去の取引パターンを測定する相対評価指標だ。

歴史的に、この指標が同様の低水準に達した際には、イーサリアムはその後大幅な上昇を見せ、ビットコインのパフォーマンスを大きく上回ってきた。

投資家はこれに注目しているようだ。CryptoQuantのデータによると、イーサリアムETF（上場投資信託）の需要は急増しており、ETH/BTC ETF保有量比率は4月下旬以降急上昇している。

この資産配分の変化は、イーサリアムがビットコインのパフォーマンスを上回ると機関投資家が予想していることを示唆しており、これは最近のペクトラ（Pectra）アップグレードや、より好ましいマクロ経済環境の影響によるものと考えられる。

ETH/BTC価格比率は既に2020年1月以来の最低水準から38%回復している。これは、底値圏に入っていること、そして「アルトコインのシーズン」が間もなく到来することに投資家やトレーダーが賭けていることを示唆している。

これは、一部の市場参加者がCoinDeskに語ってきたことと一致している。

ビザンティン・キャピタル（Byzantine Capital）のゼネラルパートナーであるマーチ・ジェン（March Zheng）氏は最近のメッセージで、イーサリアムが通常リスクオンに関するオンチェーンのアルトコインの主要な指標であり、その大幅な上昇は一般的にアルトコイン全体の上昇につながることをトレーダーは思い出すべきだと述べている。

オンチェーン・データはこの楽観的な見方をさらに裏付けている。イーサリアムの現物取引高は先週、ビットコインに対する比率で0.89に急上昇した。2024年8月以来の高水準となり、投資家の新たな投資意欲を示している。同様の傾向は2019年から2021年にも見られ、この時期にイーサリアムはビットコインの4倍のパフォーマンスを示した。

CryptoQuantはまた、売り圧力の指標となることが多いイーサリアムの取引所入金が2020年以来の最低水準にまで減少している点を指摘しており、投資家が今後の価格上昇を予想していることを示唆している。

今のところ、これが確認されるかどうかは、イーサリアムがビットコインに対する重要な365日移動平均線を決定的に上回るかどうかにかかっている。

それでも、イーサリアムは割安感の強さ、機関投資家の関心の高まり、そして売り圧力の減少により、今後数ヶ月で大幅な上昇が見込まれる。

しかし、CryptoQuantが以前のレポートで指摘したように、イーサリアムが依然として遅れを取っている点の一つはネットワーク活動だ。イーサリアムネットワークの利用者が増えなければ、トークン価格が急騰することは難しいだろう。

｜翻訳・編集：林理南
｜画像：CoinDesk
｜原文：Undervalued Ether Catching Eye of ETF Buyers as Rally Inbound: CryptoQuant