100億ドル相当のBTCオプションの満期が迫る──9万5000ドルから10万5000ドルのレンジに注目 | CoinDesk JAPAN（コインデスク・ジャパン）

2025-05-29 09:38:14

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デリビットで100億ドルを超えるビットコインオプションが協定世界時（UTC）金曜日午前8時に期限切れとなる見込みで、市場に変動をもたらす可能性が指摘されている。
9万5000ドルから10万5000ドルのレンジでの高いデルタエクスポージャーによりビットコイン価格の方向性リスクが高まっており、トレーダーにとって重要な水準となっている。
最近の記録的な高値にもかかわらず、デリビットのDVOL指数は、今後のオプション満期によるボラティリティへの懸念が最小限であることを示している。

デリビット（Deribit）では、協定世界時（UTC）5月30日午前8時（日本時間午後5時）に数十億ドル相当のビットコイン（BTC）オプションが満期を迎えるため、9万5000ドルから10万5000ドルのレンジが、潜在的なボラティリティと方向性を示す重要なゾーンとなる。

記事執筆時点で100億ドル（約1兆4500万円、1ドル=145円換算）を超えるビットコイン月次オプション契約9万3131件がまもなく決済期限を迎える。その内訳はコールオプションが53%、残りがプットオプションだ。コールオプションは市場への強気の賭けを表し、プットオプションは価格下落に対する保険となる。デリビットでは、1オプション契約が1BTCに相当する。

建玉の分布を見ると、9万5000ドル、10万ドル、10万5000ドルの権利行使価格に大量の「デルタ」エクスポージャーが集中している。つまり、これらの権利行使価格でポジションを保有するトレーダーは、ビットコイン価格に対して大きな方向性リスクを負っていることになる。

BTC価格の変動に対するオプションの感応度を測る「ガンマ」は、満期日が近づくにつれてピークを迎える。そのため、価格変動は投資家とマーケットメーカー（常に投資家の取引の反対側にいる）の両方による広範なヘッジを誘発し、価格の乱高下をさらに悪化させる可能性がある。

分散型暗号資産（仮想通貨）取引プラットフォームのVolmexはXの解説記事で、「最大のデルタ集中はデリビットのビットコイン5月30日満期で、行使価格10万ドル、10万5000ドル、9万5000ドルに28億ドル（約4060億円）のデルタエクスポージャーがあり、月末に向けて強力なガンマ主導の流れが発生する可能性がある」と述べた。

Volmexはさらに「いかなる動きもディーラーによる積極的なヘッジ、脆弱なガンマ環境を引き起こす可能性がある！ボラティリティに備えよ！」と付け加えた。

[BTCの5月30日満期の月次オプションの建玉残高分布。：Deribit]CoinDeskのデータによると、記事執筆時点でビットコインは10万7800ドル付近で取引されている。前週には、11万1000ドルを超える過去最高値を記録した。